MBA授業メモ:価格設定の戦略(価格差別化)

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皆様こんにちは。

今日受けたStrategyの授業が面白かったので、概要を記録します。

価格差別化についてです。
授業で出てきた単語を自分で日本語訳しているので、日本語の教科書に載っている正しい用語と違っているかもしれません。

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一物一価の価格設定における収入の取りこぼし

消費者の支払意思(Willingness to pay)は様々なので、企業の立場からすると、収入の取りこぼしが発生している。具体的には、

(1) P=p*と需要曲線で囲まれた領域
消費者余剰 (Consumer surplus)。例えば、100円より多く支払ってもよいと思っている顧客に100円で販売してしまっている場合の、取りこぼしている価値の合計。(p*は、均衡価格)

(2) Q=q*、需要曲線、限界費用曲線で囲まれた領域
実現されていない販売(Unrealized sales)。増産するコストを上回る価格で潜在的に販売できるはずだが、販売量をq*としているため販売できていない商品の、価値の合計。(q*は、均衡販売量)

価格差別化の目的

一つの製品に対し、消費者の支払い意欲(Willingness to pay)に応じた複数の価格を設定することで、上記の取りこぼしを(部分的にでも)回収し、収入を増やすことができる。

同じ商品に複数の価格を設定する方法

(1) バージョンの設定 (Versioning)
複数のバージョンを売る。例:高機能版と廉価版の両方を、低い切り替えコストで生産。

(2) 時間差を設ける (Temporal)
販売の時期に応じて価格を変える。例:新発売の時は高く売り、その後安く売る。

(3) リベート (Rebates)
いったん均衡価格で販売しておき、値引きすべき顧客だけ値引きする。例:選ばれた顧客だけに定価から割引で購入できるクーポンを提供する。

価格を差別化する方法

複数の価格を設定することで、実際にどのように差別化を行うか。

(1) 完全差別化 (Complete Discrimination)
顧客ごとに個別の価格を設定する。

例:入学者が減っている学校は、基本の授業料を高くすると同時に、奨学金を充実させる。その他、法律相談、オークションなど。

メリットデメリット:
○すべての消費者余剰を回収できる
×膨大な情報が必要
×手間がかかる
×顧客の不公平感を招く

(2) 非直接的セグメンテーション(Indirect Segmentation)
直接観察できない顧客の特性によって顧客を分類し、異なる価格で販売する。

例:航空会社はプレミアムエコノミークラスを提供することで、「ビジネスクラスは利用できないが、エコノミークラスより良い席を求める顧客」により高い価格で座席を販売する。その他、携帯電話の料金プランなど。

メリットデメリット:
○必要な情報が少なくて済む
○顧客が自分で選ぶので、不公平感が発生しない
×取りこぼしが最も多い
×効果的に機能しない可能性がある
→「ビジネスクラスを利用していたがもう少し質が低くても許容できる顧客」がプレミアムエコノミーにダウングレードしてしまう可能性がある
→ビジネスクラスの価格を下げたり、エコノミークラスの質を落としたりすることで対応可

(3) 直接的セグメンテーション(Direct Segmentation)
直接観察できる顧客の特性によって顧客を分類し、異なる価格で販売する。

例:学割、レディースデー、地元住民割引など。

メリットデメリット:
○必要な情報が最も少なく、実行しやすい
×顧客の不公平感を招く
×転売等で破られる
×差別を禁止する法令で規制されるリスクがある

(4) 動的価格設定 (Dynamic Pricing)
需要に応じて価格を変動させる。

例:ホテル、Amazonなど。

メリットデメリット:
○顧客の支払意思を知る必要がない(支払意思の測定は難しい)
○経験則を適用できる
×顧客の支払意思による分類が不完全になり、顧客が単純に利用時期をずらすと企業にとって減収になる

(5) 抱き合わせ(Bundling)
割安なセット販売と割高な単品販売を提供する。

例:以下の3種類の顧客に、ワードとエクセルを販売する場合を考える。
  ①エクセルだけが欲しく、最大125ドル払える人(ワードには最大25ドルしか出さない)
  ②ワードだけが欲しく、最大125ドル払える人(エクセルには最大25ドルしか出さない)
  ③両方が欲しく、それぞれ個別に最大105ドル払える人

 →単品を125ドルで、セットを210ドルで販売することで、全員に購入してもらえる。単品105ドルのみを設定しても全員購入してくれるが、125ドルまで払える①と②の顧客に105ドルで売ってしまうことになり、企業にとって取りこぼしが発生する。

メリットデメリット:
×適切な組み合わせが必要。

考えたこと

顧客の支払意思を知ることができれば効果的な価格設定ができるが、知ることは難しそう。また、価格を自由に設定できることが前提である。特に、競合が激しい業界や規制が厳しい業界では、これらの戦略が使えないだろう。
しかし、制約がありつつも、企業が自社の特性に合わせて適切な価格差別化をすることは大切で、今日の授業はその手法を体系的に概観するために役立つ内容だと思う。

おまけ

写真は、地下鉄の駅です。

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