MBA授業メモ:Consulting framework, methods & contexts(その2)

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こんにちは。ワシントンDCはここ数日小春日和で、快適な気温でした。
今日は、前回に引き続き今学期の選択科目Consulting framework, methods & contextsで学んだことをまとめようと思います。

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この授業は「戦略コンサルタントとして企業を分析し提案を行う手法を学ぶ」ことを目的としており、

(1)外部の視点から企業の置かれている環境や企業自身を適切に理解し
(2)解決すべき課題と方向性を考え
(3)クライアント会社に伝える

手法を学びます。前回は(1)に関するフレームワークについてまとめましたので、(2)のプロセスのうち、面白かったものを少し具体的に記載したいと思います。

地方都市に遊園地チェーンを展開するP社のコンサル依頼

P社は、アメリカの地方都市に遊園地チェーンを展開しています。3期連続で赤字を計上しており、収益を改善する方法を考えるためコンサルを雇ったという設定です。

数字は省略し要点のみを記しますが、過去に

・新たな乗り物の建設→新しい乗り物は長い行列ができている。人気のない乗り物は空いている
・気軽なレストランを閉鎖し、値段を上げたレストランを営業開始→売上、収益とも好転している
・飲料会社と協力し、入場料の値引き券を大量に配布するキャンペーンを実施→来場者が増え、園内施設の売上は増えたが、入場料の減収でトータルの収支改善はしなかった

という取り組みをしてきました。

P社のCEOは、長い行列に不満を持つお客様がいることから、「ファストパス」を発売するという案を持っており、その是非も検討する必要があります。

ディスカッション

私たちのチームでは、前回の記事で述べたようなフレームワークを使いつつ、自由にディスカッションもして、売上を増やすという観点からは、以下の論点を整理しました。

・P社の遊園地はこれまで地方都市で家族を相手に成功してきており、全ての家族が楽しく過ごせる場所を提供する、という企業文化を大切にしてきた。「お金を多く払ったお客様をより大切に扱う(しかも、他のお客様の目の前で)」というファストパスはなじまないのではないか。

・値段を上げたレストランが好調である一方、値下げキャンペーンにより来場者は増えたことから、「値段を気にしない客層」「値段に敏感な客層」の2層の客層が混じっているのではないか。

・混んでいても空いていても乗り物は動かさなければならないこと、来場さえしてもらえれば園内での支出も見込めることから、「来場者」を増やすことが必要ではないか。ただし、過去の失敗を考えて「入場料の値引き」によって来場者を増やすのはよくない。

つまり、

・公平性を損ねないことが必要
・支払意思の異なる客層に対し一通りの値段しか提供していないという問題がある
・入場料の値下げ以外で来場者を増やしたい

ということになります。

私の脳裏をよぎったのは、先日このブログでもご紹介したPricingの戦略でした。

値段を気にしないお客様には、これまで通り高めのレストランを楽しんでもらう。一方で、値段に敏感なお客様には以前閉鎖した「気軽なレストラン」よりももっと安いオプション(ホットドッグスタンドなど)を提供する、というアイデアが出てきました。高めのレストランと気軽なレストランを両方提供するとお互いにお客さんを取り合ってしまうかもしれないので、かつての「気軽なレストラン」よりもさらに安価なオプションを提供するのが良さそうです。

また、これは前述のPricingの授業の内容そのままですが、イブニングパスや年間パスを発売することも提案しました。イブニングパスは、通常の1日入場券を買う程の支払意思がないためこれまで逃してしまっていた客層に来場してもらえます。年間パスも同様に、年に2回来る程の支払意思がないため2回目以降の来場をしていなかったお客様が来てくれれば、園内での支出はしてくれます。値引き券を受け取ったお客様全員を割引してしまうより、入場料収入の減収が抑えられそうです。

また、別のグループメンバーから「園内で1食だけ食べて帰ってしまっていたお客様の滞在時間を延ばすため、夕方にショーをする」という案も出ました。

まとめると、
・安価な食べ物を提供
・イブニングパスや年間パスを発売
・夕方にショーをする

という提案をしました。(ほか、コストカットの方法も複数提案)

授業での解説とフィードバック

授業では、「入場料を少しだけ値上げする」という案が教授から出されました。

理由は、過去に「値下げで減益になった」ということから、今の価格帯では需要の価格弾力性が小さいと考えられる(=価格を少し変動させても需要が大きく変動しない)、したがって、「価格を少し高くしても需要はあまり減らず増益」と考えられるからです。遊園地の入場料が一人1ドル高くなったことを理由に遊園地に行くことをあきらめる家族が、どれくらいいるだろうか?と言われると、確かにあまりいないように思います。

「MBAの学生はつい大きな変化を提案しがちだが、戦略の実行可能性を考えることが大切。小さな数字を積み上げて大きな数字にするのが大きな成果への近道だ」という教授の言葉は、納得いくものでした。

私たちのグループの案に対する教授のフィードバックは良好だったので、授業の課題に対する回答としては「正解の範疇」だったのかもしれません。

振り返り

このケースは、遊園地というイメージがつきやすい業態を対象にしており、読まなければならない文章もさほど多くなく配慮すべき事柄を網羅的に理解できたため、分析し考えることに集中できました。そのため、自信を持って推せる提案を導き出すことができました。また、この授業で教材として取り上げられている以上、何らかの「狙い」なり「理想の回答」なりが存在しているはずで、それを忖度しながらディスカッションをしたことも、良い結果を出せた要因かもしれません。良い意味でも悪い意味でも、「良い練習問題」だったと思います。

実はこのケースはこの授業の中で初めに扱ったケースで、これ以降のケースはこの回のようにディスカッションがスムーズに進まず、苦戦することも多かったです。

この授業全体を通じての学びは、大きく分けて2つあると思います。1つ目は、「フレームワークは、分析の取り掛かりをスムーズにしてくれる」こと、もう一つは「教科書的な知識を学ぶことは大切」であることです。

フレームワークについては、学んだ価値は大きいと思います。何から手を付け、どう進めていくのか、という方向性を示してくれるのがフレームワークです。もちろん、フレームワークに従って手を動かすだけで自動的に答えが出てくるというものではないのですが、無いよりはあった方が絶対に良いです。一方で、自分で手と頭を動かして使い方に習熟するのが大切だと感じました。今回の授業で4つの課題に取り組みましたが、まだ練習量が不足しています。これから、ケースを読む時、気になる現象に遭遇した時、今回習ったフレームワークを使うことを練習してみようと思います。

教科書について、「現実は教科書と違う」というのは本当にその通りだと思います。一方で、教科書に書かれていることをもとに現実を理解できる場合も往々にして存在するのだろう、ということを実感しました。今回の場合は、価格戦略の教科書的知識を押さえていたことで、提案を思いつくことができました。もちろん人によって好みもあろうかと思いますが、少なくとも私は、教科書で体系的に知識を押さえてから実際のケースに触れることで考えが深まることを実感しました。一方で明らかになった課題としては、自分が面白いと思うかどうかで、教科書の読み方が変わってしまっているということがあります。もう少し広い範囲で基本の知識を身に着けるべきだと感じました。今後、アカウンティング、ファイナンス、マーケティング、ビッグデータやブロックチェーン等の新しい技術について、特に意識して基礎のインプットを深めたいと考えています。

週に2コマ、全12回というコンパクトな授業でしたが、学びが非常に多かったです。Homa教授が引退してしまうのが本当に残念です。

 

来週はテスト週間です。テスト勉強を兼ねて復習を深めたいと思います。
写真は、近所を散歩した際の景色です。

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