アメリカ企業でのインターン-その1「やってみよう」

帰国してから半年余りです。日本で生活する良さとアメリカで生活する良さ、両方が意識される日々です。

今回から数回に分けて、留学中にアメリカの会社でのインターンをした経験について、書いていこうかと思います。

アメリカの会社でのインターン

アメリカのMBAでは、夏休みにインターンをするのが一般的です。アメリカ人かそれ以外か問わず、MBAに来ている学生の多くは就職活動をしています。インターンはその一環で、インターン先から内定をもらうケースもあれば、インターンの経験をステップに、さらに別の会社を受ける人もいます。

私は勤務先からの派遣留学であり就職活動はしていなかったのですが、自分の業界を違う視点から見てみたい、アメリカの会社で働く経験をしてみたいという理由から、インターンをしました。

私は鉄道会社で働いていることもあり、公共交通に興味を持っています。アメリカの公共交通は、経営の在り方や運行の方式など様々な点で日本と異なっており、より深く知ってみたいと思っていました。また、アメリカでの生活に慣れるに従って、自分は良くも悪くも学生であり「アメリカの社会の一部しか見られていない」ということを感じるようになりました。端的に言うと、アメリカの会社で働いてみることで、アメリカ社会をより理解できるのではないかと感じた次第です。

「ではやってみよう!」ということでインターン探しをしていたところ、とある会社にご縁をいただきました。公共交通に関するコンサルティング会社です。ここではF社としておきます。社員数30名前後の専門性の高い会社で、自分の関心にぴったりです。先方の社員の方々も、日本の鉄道会社の若手がやってくるということで、多少は興味を持ってくれていることが分かりました。1年目の授業が全て終わり2年目が始まるまでの夏休みの期間、2か月ほどインターンをさせてもらうことになりました。

CEOともファーストネームで呼び合う

「ひたすらに激務」というイメージを持っていたコンサルティング業界。上司や同僚とうまくやれるのか、仕事はきちんとこなせるのか、初日は不安を抱えながら出勤。CEOとCFOに挨拶をし、上司と面談し、メールアドレスや社内システムのIDをもらい、用意してもらっていた自分の席につきます。CEOからは、「あなたには、こういうプロジェクトやこういうプロジェクトに入ってもらいたいと思っている。どれもとてもエキサイティングな仕事で、あなたの将来にも役立つと思う。仕事に関して希望があれば、私にでも直接の上司にでもいいから、何でも言ってね」とお話をいただき、参考資料もどっさりといただきました。F社ではCEOも一般社員もみなファーストネームで呼び合っており、気を張りすぎず自然体で働いたらよいのかなと安心しました。

コミュニケーションを兼ねたミーティング

翌日は、週一回のミーティングがある日。F社は毎週火曜日に3種類のミーティングを行っており、私はそのうち2つに出席するとのこと。この運営の仕組みがとても良くできていると感じました。

F社は社員数30人くらいです。内訳は、まず役員(CEO、CFO、Vice President)が5名います。その次にシニア(いわゆるマネージャークラス)が5名おり、1人のシニアの元に4人くらいの一般のコンサルタントがつきます。シニア1名とコンサルタント4名の5名チームが5つある、ということになります。

火曜日の朝は、チームごとのミーティングから始まります。

進め方は毎回決まっています。まず、一人一人が週末に何をしたかを話します。アメリカ人は週末が本当に好きで、週明けの会話は必ずと言ってよいほど「おはよう!週末はどうだった?」から始まります。チームミーティングにもそれを取り入れているようです。次に、各コンサルタントが先週取り組んだことと今週の予定を述べます。それに対し、シニアから具体的な進捗やスケジュールの確認をし、困っていることはないか等質問をします。全員が終わると、最後はなぜかクイズコーナーです(笑)。交代制で各回1人、みんなが興味を持ちそうなクイズを4~5問考えてきます。自分が旅行に行った先の歴史や文化、その地の公共交通のことなど、割とまじめなクイズが多めです。皆真剣に考えて答え合わせをし、正解が一番多かった人が次回のクイズ当番になります。F社では、社員のデスクはパーテーションで区切られており、勤務時間中に雑談をすることはあまりありません。その代わり、週例のミーティングの場でコミュニケーションを取れるようにしているのだと思います。実際に、週末トークや考えてくるクイズの内容からメンバー一人一人がどのようなことに興味を持っているのか分かることが多く、上手く機能していると感じました。

チームごとのミーティングが終わると、20分ほどの全社員ミーティングに移ります。役員含め全員が大きなテーブルを囲んで座ります。席は自由で、遠方のオフィスの社員は電話会議システムで参加。和気あいあいとした雰囲気です。ミーティングでは、まずシニアから各チームで取り組んでいることが報告され、その後はお知らせがある人が順次発言します。質問があれば役職に関係なくできますし、しっかりと答えてもらえます。日本人的発想で「それ、全員の場で聞かなくても後で個別に話せばよいのになぁ」と思ってしまうようなことも、アメリカ人らしく(?)皆の前でしっかり議論します。

その後、役員とシニアだけのミーティングが続きます。こちらは私は入らないので内容は承知していません。このような3段構えのミーティングが、毎週行われます。

このように、F社の週例のミーティングは、通常考えるような「効率的」なものではありません。なにせ、チームミーティングは仕事の話は三分の一だけ、残りは遊びの話です。こちらの記事に書いたように、普段の仕事では効率良く働ける仕組みを非常に重視しているのですが、一方でこのような「非効率」なミーティングをしているのは面白いです。実質的なミーティング(情報の報告・共有)だけでなく、全員が顔を合わせて言いたいことを言ったり雑談したりする場を提供し、また、会社に参画する意識を持たせる意味もあるのだろうと思います。日本の会社でいうと、「飲み会」に近いのかもしれません。ちなみに、F社では「公式な飲み会」はありません。

今回は、夏休みにインターンをすることになったいきさつと、ミーティングのあり方について書きました。次回以降も、引き続きインターンで学んだことや感じたことを書いていこうと思います。(F社が作り上げている「働きやすい環境」については、こちらの記事に書きました。)

写真は、インターン先のミーティングスペースです。

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